トピック
    Bybitで利用可能な注文形態
    bybit2024-10-09 22:18:17

    Bybitでは、さまざまな取引市場に合わせて多岐にわたる注文形態を提供しています。取引に先立ち、こうした多様な注文形態を理解し、お客様の取引戦略に効果的に合致させることが重要です。ここでは、Bybitが提供する注文を基本的な注文と高度な注文に分けて、総合的に説明し、お客様が十分な情報を得たうえで取引に関わる判断を下せるようにします。








    基本的な注文形態

    まず、Bybitが提供する基本的な注文形態である成行注文、指値注文、条件付き注文から見ていきましょう。こうした基本的な注文は、より高度な注文の基礎となります。Bybitの取引機能を使いこなすには、こうした基本概念を完璧に理解しておくことが重要です。



    成行注文

    指値注文

    条件付き注文

    注文パラメータの設定

    1. 注文数量

    1. 注文数量


    2. 注文価格

    1. 注文数量


    2. トリガー価格


    3. 注文価格(条件付き指値注文の場合)

    約定ロジック

    注文は、利用可能最適価格で直ちに約定される。

    1. 市場価格が指定sされた価格に達した場合、注文はその注文価格で約定される。


    2. 注文価格が市場価格より不利な場合、注文は直ちに約定される。

    設定したトリガー価格に達すると、成行注文または指値注文が注文板に掲載される。注文がトリガーに達し、注文板に掲載されると、約定ロジックは成行注文や指値注文と同じように機能する。

    約定価格

    利用可能最適価格

    注文価格または利用可能最適価格

    条件付き成行注文:利用可能最適価格


    条件付き指値注文:注文価格または利用可能最適価格 

    メリット

    即時約定

    1. 価格をコントロールできる。


    2. 取引手数料が安い。

    特定のトリガー価格が満たされることを前提に、自動売買が可能になるため、意思決定と約定が効率化される。

    デメリット

    1. 約定価格をコントロールできない。


    2. 取引手数料が高い。

    1. 市場の値動きや流動性に左右されるため、注文の約定は保証の限りでない。


    2. 必ずしも常にメイカー注文として約定に至るとは限らない。

    成行注文や指値注文と同様、条件付き注文の有効性は、選択した注文形態と市場の状況によって異なる。




    1. 成行注文

    成行注文は最もシンプルなタイプの注文であり、現在の市場価格で迅速に約定したい場合によく使われます。成行注文の場合、利用可能最適価格(すなわち、売り注文の場合はbid値、買い注文の場合はask値)で即時に約定されるため、迅速な市場参入またはポジション決済が可能になります。

     

    成行注文は迅速な約定という点でメリットがありますが、最終的な約定価格は市場のボラティリティ(よくスリッページと呼ばれています)によって微妙に変動する可能性があることを理解しておくことが重要です。

     

    成行注文は、基本的に他の既存の注文を成立させ、注文板から取り除くのと同じことです。この場合、お客様は、市場から流動性を吸い上げることになるため、マーケットテイカーとみなされます。そのため、テイカー手数料と呼ばれる少し高めの手数料が発生します。

     

    関連資料

    メイカー注文とテイカー注文の違い

    用語集:成行注文

    Bybit取引手数料体系




    2. 指値注文

    指値注文の場合、約定価格を確実にコントロールすることができます。指値注文を出すに際しては、資産または契約の売買価格を正確に指定します。市場価格が指定された価格に到達した場合、注文はその注文価格で約定されます。また、注文価格が市場価格より不利な場合は、注文価格より有利な価格で約定されます。ただし、市場価格が指定した価格に到達せず、指値注文が約定に至らないといったこともあり得ます。

     

    指値注文には2つの可能性があります。

     

    i) 指値での注文とメイカー手数料:

    指値で注文した場合、注文板に掲載され、指定した価格で約定されます。たとえば、田中さんが、ask値が11,000ドルのときに、10,000ドルの指値で買い注文を出すとします。この場合、その注文は板に掲載され、流動性はその分高まり、約定時には低額のメイカー手数料が適用されます。

     

    ii) 即時約定時のテイカー手数料:

    指値注文の注文価格が市場価格よりも不利であれば、その指値注文は、成行注文と同様、利用可能最適価格で即時約定されます。たとえば、田中さんが、bid値が11,000ドルのときに、10,000ドルの指値で売り注文を出すとします。その場合、その注文は成行注文として11,000ドルで成立し、テイカー手数料が発生します。こうしたしくみになっていることで、好ましい価格を下回る注文、または上回る注文を防止することができます。テイカー手数料の支払いを避けたいお客様は、多くの場合、ポストオンリーの指値注文を利用します。この注文形態については、高度な注文形態の部分で詳しく説明します。




    要約:

    - 買い指値注文の場合、注文価格は最終取引価格を下回る価格で設定する必要があり、そうでなければ、成行注文として直ちに約定されます(この場合、テイカー手数料を支払います)。

    - 売り指値注文の場合、注文価格は最終取引価格を上回る価格で設定する必要があり、そうでなければ、成行注文として直ちに約定されます(この場合、テイカー手数料を支払います)。

     

    関連資料

    指値注文が即座に約定されるのはどうしてですか?

    用語集:指値注文




    3. 条件付き注文

    条件付き注文は、お客様の取引戦略に段階的な自動処理を提供します。この種類の注文は、トリガー価格などの特定の条件が満たされれば、トリガーが発動し、注文板に掲載されます。トレーダーは、最終取引価格、マーク価格、インデックス価格など、さまざまな参照価格をトリガーとして利用することができます。

     

    条件付き注文には2つのタイプあります。条件付き成行注文と条件付き指値注文です。これらは、いずれも前述の成行注文や指値注文と同じ働きをしますが、予め設定した参照価格がトリガー価格に達した場合にのみ、システムが成行注文や指値注文を発動させます。

     

    条件付き注文は、以下のような一般的な注文形態をシミュレートするためによく使用されます。

     

    • 逆指値参入注文

    逆指値参入注文を使用することで、トレーダーは市場でブレイクアウト取引を行うことができます。逆指値参入注文は、特定の価格に達したときに成行注文または指値注文を発動させることで、有利な水準での参入を可能にします。買い逆指値注文の場合、トリガー価格は通常、最終取引価格より高く、売り逆指値注文の場合、トリガー価格は通常、最終取引価格より低くなります。



    • 利食(TP)注文、損切(SL)注文

    利食注文は一定の利益水準に達すると自動的にポジションを閉じ、損切り注文は特定の損失水準に達するとポジションを閉じます。これらは逆指値参入注文のような機能を有しますが、取引を解消するために使用されます。これらは条件付き注文と同じ原理で機能します。Bybitにおいては、トレーダーの利便性を考慮し、利食注文と損切注文は一体化されています。これらの取引については、高度な注文形態の部分でさらに説明します。

     

    関連資料

    ストップロス注文(stop loss)とストップリミット注文(stop limit)とは?用語解説

    条件付き注文が発動されるのに約定に至らない理由

    条件付き注文を発動させるためにLTPまたはマーク価格を利用する利点と欠点は何か?






    高度な注文形態

    前述の3つの基本的な注文形態は、Bybitで取引を行うための基本となるものです。こうした基本的な注文を使いこなせるようになれば、プラットフォーム上の高度な注文形態を活用できるようになります。ここからは、Bybitが提供する高度な注文形態について説明します。



    1. 利食注文/損切注文

    利食(TP)注文/損切(SL)注文は、取引決済戦略を進めるための重要な要素です。TP注文は特定の利益水準に達した時点でポジションを決済する一方、リスク管理のための手段として機能するSL注文は、潜在的な損失を制限するよう設計されています。Bybitには、TP/SL機能が組み込まれており、ユーザーフレンドリーで効果的な取引管理が可能になっています。TP注文とSL注文は、現物市場とデリバティブ市場では、やや異なった動きをしますので注意が必要です。

     

    関連資料

    現物取引における利食と損切について(入門編)

    「利食い・損切り」を徹底解説(無期限契約・先物契約)

    損切り設定をしたのに、なぜ私のポジションは強制決済されたのですか?

     

     

     

     

    2. アイスバーグ注文

    アイスバーグ注文は、大量の取引を行う際に、マーケットインパクトやスリッページの課題を解決できる戦略的アプローチです。この自動戦略では、大量の注文を少額のサブ注文に分割することにより、すばやく市場に参入し、スリッページも最小限に抑えられます。アイスバーグ注文は、マーケットメイカーにとって理想的な戦略です。ポジション全体を公開せずに済み、市場ダイナミクスへの影響も抑えられます。自動注文分割によって取引の意図を隠せるため、約定待ち注文を市場に公開したくない場合に最適です。詳細については、アイスバーグ注文をご覧ください。

     

     

     

     

    3. ポストオンリー

    ポストオンリーは、指値注文または条件付き指値注文が既存の注文と直ちにマッチングされない場合に、注文板への掲載のみを指図する取引です。言い換えれば、注文を即座に成立させず、確実にメイカー注文として注文板に掲載するための方法です。そうならない場合、システムは自動的に指値注文をキャンセルします。このタイプの注文は、市場に流動性を提供し、テイカー手数料を支払いたくないトレーダーによって一般的に利用されます。詳細については、ポストオンリー注文をご覧ください。

     

     

     

     

    4. 有効期間の選択(GTC、IOC、FOK)

    有効期間(TIF)の選択とは、注文が約定に至るか、キャンセルされるかまでの有効期間を指定する指図を意味します。TIFとしては、一般的に以下の3つの選択肢があります。

     

    GTC(キャンセルするまで有効):GTC注文は、トレーダーが手動でキャンセルするまで有効です。この注文は、約定が成立するか、トレーダーがキャンセルするまで、無期限に注文板に存在し続けます。

     

    IOC(即約定できない場合無効):IOC注文では、注文の一部または全部が直ちに約定される必要があります。注文の一部が約定されなかった場合、その部分は直ちにキャンセルされます。このオプションは、即時約定が必要な注文によく使われ、約定に至らなかった部分がその後も板に残ることはありません。Bybitの成行注文はIOC注文の好例です。

     

    FOK(全約定できない場合無効):FOK注文では、注文全体の即時約定が要求されます。注文全体が直ちに約定されない場合、その注文は全部がキャンセルされます。このオプションでは、注文全体が約定されない限り、注文は一切約定されません。

     

    こうした有効期間の選択により、トレーダーは取引戦略や市場状況に合わせて注文を柔軟に調整することができます。さらに詳しくは、有効期間の選択(GTC、IOC、FOK)をご覧ください。

     

     

     

     

    5. トレーリングストップ注文

    トレーリングストップ注文は、市場が有利な方向に動く局面においては、利益を確定し、潜在的な損失を抑制するために使用される動的な注文形態です。設定した距離またはパーセンテージで市場価格に追随し、逆指値価格を自動的に調整します。市場価格がトレーダーに有利な方向に動けば、トレーリングストップ注文の逆指値価格もそれに応じて変化し、市場が上昇し続ければ、より多額の利益を確保することができます。一方、相場が反転し、逆指値価格に達した場合、損失を限定するため、注文が発動されます。この注文を利用することにより、利益の確保と市場変動の許容幅との間のバランスを取ることができます。さらに詳しくは、トレーリングストップ注文をご覧ください。

     

     

     

     

     

    6. TWAP注文戦略

    TWAP(時間加重平均価格)注文は、指定された期間にわたって徐々に取引を約定するために使用される特殊な注文形態であり、その期間の市場状況を反映した平均価格の達成を目指します。TWAP注文は、注文全体を一度に約定するのではなく、注文を小口分割し、選択した時間枠全体を通して均等に約定していきます。この戦略を用いることにより、トレーダーは、単発の大口注文で市場に大きな影響を与えることを回避し、指定された期間の平均市場価格に近い価格を達成しようとします。詳細については、TWAP戦略のご案内をご覧ください。

     

     

     

     

    7. ワンキャンセル・ジ・アザー(OCO)注文

    ワンキャンセル・ジ・アザー (OCO)注文は、トレーダーに異なる種類の注文を同時に執行するための強力なツールを提供し、リスク管理と取引の自動化を強化します。この機能は、2つの条件付注文をペアリングし、一方の注文が自動的にキャンセルされると、もう一方の注文がトリガーされます。OCO注文は、取引効率とリスク管理を向上させ、市場における競争力を提供します。詳細はワンキャンセル・ジ・アザー (OCO)注文をご参照ください。

     

     

     

     

    8. リデュースオンリー

    リデュースオンリー注文指値注文の一種です。これにより、トレーダーは既存のポジションサイズを縮小することができますが、大きくすることはできません。リデュースオンリー注文は、リスクを管理し、ポジションサイズをコントロールするために使用されます。リデュースオンリー注文を出す目的は市場エクスポージャーを減らすことだけであり、不用意なポジションサイズの拡大は防止されます。詳細については、リデュースオンリー注文をご覧ください。

     

     

     

     

    9. トリガー決済

    トリガー決済とは、特定のトリガー条件が満たされた場合、すなわち、価格レベルがトリガー価格に達した場合に、ポジションを自動的に決済する指示を出す取引です。このタイプの注文は、一般的に市場価格が予め定義されたレベルに達したときに取引を執行することで、利益を確保したり、損失を管理するために使用されます。これにより、トレーダーは予め設定したトリガー価格に基づいて、決済戦略を自動化し、効率性とリスク管理を向上させることができます。

     

    トリガー決済注文とリデュースオンリー注文は、いずれもポジションを管理するためのものですが、その主な注目点と機能は異なります。トリガー決済注文は価格レベルによってトリガーされ(条件付き注文で使用される)、リデュースオンリー注文はポジションサイズを縮小する場合にのみ使用されます(指値注文で使用される)。詳細については、トリガー決済注文をご覧ください。

     

     

     

     

    10. 分割注文

    分割注文は、市場の激しいボラティリティを誘発したり、市場参加者の行動に影響を与えたりすることなく、大口注文を執行するアルゴリズム注文タイプです。分割注文は、大口注文を特定の価格帯内で複数の小口注文に分割し、指値注文として価格を段階的に上げ下げしながら発注します。詳細については、分割注文をご参照ください。

     

     

     

     

    11. 追跡指値注文

    追跡指値注文は、最良のビッドまたはアスクで発注される指値注文で、注文が満たされるか、キャンセルされるか、または最大追跡距離に達するまで、変化する市場状況に合わせて参入価格を動的に調整します。待ち時間や潜在的なスリッページを最小限に抑えながら、大口注文を指値注文として執行したいトレーダーにとって、より効果的な注文方法です。詳細は、追跡指値注文をご参照ください。





    まとめ

    成行注文で機会を捉える場合であれ、指値注文で価格を微調整する場合であれ、条件付き注文で注文を自動化する場合であれ、注文形態を総合的に把握することで、トレーダーは自信を持って行動し、情報に基づいて自らの目標に合った意思決定を行うことができます。基礎をしっかりと理解することで、情報に基づいた意思決定を行い、自らの優先事項や目標に合わせて取引戦略を調整することができるようになります。

    役に立ちましたか?
    yesはいyesいいえ