TWAP（時間加重平均価格）戦略は大口の取引注文を小口の注文に分割し、一定の時間間隔で執行する取引手法です。大口注文が市場に及ぼす影響を軽減するとともに、市場の日中の取引価格を反映した平均的な約定価格に近付けることを目的としています。

 

大口注文による突然の相場変動を防ぎ、トレーダーはコントロールされた手法で取引を実行できます。TWAPを利用すれば、リスクを最小限に抑えながら、市場のボラティリティを生かして取引できます。TWAPは、機関投資家やヘッジファンドが行うアルゴリズム取引に幅広く利用されています。

 

 

 

TWAPのしくみ

BybitのTWAP戦略は現在、すべての無期限および先物取引、現物取引（統合取引アカウントの利用者のみ）に適用されます。 TWAP戦略では、お客様が設定したパラメータに基づいて、注文および執行の最適な時間が算出されます。以下の例をご覧ください。

 

お客様が以下の通り、パラメータを設定したと想定します。
 

[合計数量] ：96 BTC

[稼働時間] ：4時間

頻度：30秒

[ランダム注文] ：無効

 

上記のパラメータを使用し、アルゴリズムは取引の実行を開始して、4時間にわたり最適な間隔で取引を行います。

 

稼働時間 = 4 × 60分 × 60秒 = 14,400秒

 

14,400秒であるため、TWAP戦略により、96 BTCを480注文に分割します（14,400秒／30秒）。稼働時間である4時間以内に、0.2 BTC（96 BTC／480注文）の成行注文が30秒ごとに実施されます。

 

[ランダム注文] 機能が [有効] である場合、分割される各注文の数量は一定の範囲内で自動的に調整されます。通常、当初の大口注文数量より最大で20%大きい、または小さい数量となる場合があります。ただし、ランダム注文の数量が1回の注文数量の最大値を超えないようにするなど、TWAP注文の作成時に指定した他の要件に従います。

 

有効期間中に、TWAPアルゴリズムで注文を小分けにし、一定の間隔で執行して、合計注文数量を的確に順次約定させます。TWAP注文は、有効期間が終了するか、全注文数量が完全に約定されるまで継続されます。ただし、例外的な状況下においては、完全な注文の約定を保証できません。

 

TWAP注文は以下で説明されている注文制限に従います。特定の状況がトリガーされれば、停止される可能性があります。

1. 各アカウントは同時に10件のTWAP戦略の実行に対応します。通貨ペアごとに最大5件のTWAP戦略を同時に建てられます。

2. 各TWAP戦略の発注頻度は、注文ごとに5秒から注文ごとに60秒の間で設定できます。

3. 各サブ注文の最小注文サイズについては、現物取引ルールまたはデリバティブ取引パラメータをご参照ください。

4. 現物取引の場合、TWAP戦略で発注された各サブ注文の最大注文サイズは、こちらで確認できます。 無期限および先物取引の場合、各サブ注文の最大注文サイズは、ここに記載されている最大注文サイズの≦半分である必要があります。たとえば、BTCUSDTの最大注文サイズが100 BTCである場合、各注文の最大注文数量は50 BTCとなります。

5. すべてのTWAP注文は成行注文（即約定できない場合無効）です。例外的な状況下でTWAPによる注文を完全に約定できない場合、システムは注文のマッチングを再度試みます。マッチングに失敗する場合、注文はキャンセルされ、TWAP戦略が停止または終了されるまで、次の注文を待ちます。

6. TWAP戦略では、注文の執行前に証拠金は不要です。注文執行時に、ご利用のアカウントに十分な残高をご用意ください。不足している場合、戦略は停止されます。決済注文（リデュースオンリー注文）では証拠金は不要です。

7. 注文の約定に必要な残高が不足している場合やポジションモードの変更がある場合、ポジション価値がリスク制限や未決済建玉の制限を超過しているなどの場合、TWAP戦略は自動的に停止されます。詳細は以下のよくある質問（FAQ）をご確認ください。

 

 

• TWAP戦略を設定する方法
• TWAP戦略を停止する方法
• 注文履歴を閲覧する方法

 

 

 

TWAP戦略を設定する方法

ステップ1：Bybitアプリの下部にあるデリバティブまたは取引をタップして、現物取引、無期限取引、先物取引に参加します。 次に、「ツール」アイコンをクリックして、「取引」ページの「TWAP」を選択します。
 

 

ステップ2：以下のパラメータでTWAP注文を作成します。

1. ポジションモード：選択した契約のポジションモード設定と一致させます。
2. [合計数量]：希望する注文の合計数量を入力します。または、パーセントバーを使用すれば、アカウントの利用可能な証拠金の割合に応じて注文の契約数量を簡単に設定できます。
3. [稼働時間]：TWAP戦略の稼働時間を、5分から24時間の範囲で設定するか、用意されているオプション（10分、30分、1時間、4時間、8時間）のいずれかを選択します。
4. 頻度：発注頻度を選択します。オプションは、1回の注文につき5秒から60秒です。
5. [ランダム注文]：この機能を有効にする場合、チェックを入れてください。
6. [リデュースオンリー]：無期限および先物取引のワンウェイモードでのみ利用可能です。 ヘッジモードでは、解消を目的とする注文である場合、[決済] タブに切り替えてTWAP戦略を作成することができます。

 

  



 

ステップ3：入力したすべての情報が正しいことを確認し、[確定] をクリックします。
 

 

TWAP戦略を停止する方法

ポジションタブ内で [ツール] をタップして、約定数量／合計、平均約定価格、価格上限など、戦略の詳細を確認できます。[停止] を選択してTWAP戦略を停止します。
 

 

注文履歴を閲覧する方法

[すべての注文] ページにアクセスして [ツール] を選択し、TWAP戦略の詳細を確認します。[詳細] をタップし、TWAP戦略の約定済み注文を確認します。
 

[注文履歴] ページで、TWAPラベルから、TWAP戦略を使用した注文を確認できます。