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    ボラティリティ・スキューの解説
    bybit2024-10-25 06:16:21

    ボラティリティ・スキューとは、原資産の異なる権利行使価格(ATM、ITM、OTMオプション)に対応する異なる推定変動率(IV)で構成されています。

     

    異なる権利行使価格のIV値をつなげることで曲線を形成します。左右対称の曲線はボラティリティ・スマイル、左右非対称の曲線はボラティリティ・スマークと呼ばれます。歪度(スキューネス)とは、このIV値の傾きを指します。
     

     

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    平行スキューと垂直スキュー

    ボラティリティ・スキューにはオプションの満期日の違いから、水平スキューと垂直スキューの2種類が存在します。 

     

    平行スキュー:権利行使価格が同じで満期日が異なるボラティリティ・スキューを指します。

     

    垂直スキュー:満期日が同じで権利行使価格が異なるボラティリティ・スキューを指します。

     

    一般的に、平行スキューよりも垂直スキューの方が重要視されます。

     

     

     

     

     

     

     

     

    フォワード・スキューとリバース・スキュー

    ボラティリティ・スキューはボラティリティの傾きの方向によって、フォワード・スキューとリバース・スキューの2種類に分類されます。

     

    フォワード・スキュー:フォワード・スキューは、権利行使価格の高いオプションが、権利行使価格の低いオプションよりもIV値が高い場合に発生します。


     

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    リバース・スキュー:リバース・スキューは、低いオプション権利行使価格でIV値が高い場合に発生します。
     

     

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    ボラティリティ・スマイルのパターンの違いからは、原資産の将来的な上昇または下落の確率を市場がどのように予測しているのかが分かります。

     

    一般的にフォワード・スキューの傾きが大きいほど、市場は将来の一定期間の原資産価格に対して強気であることを意味します。この場合、市場はコールオプションの評価が高くなります。反対にリバース・スキューの傾きが大きいほど、原資産価格が将来下落すると市場は予測しているため、プット・オプションの評価が高くなります。

     

     

    ただし、「ショート」の仕組みがない市場や、ショートのコストが高くなってしまう市場では、リバース・スキューが一般的です。なぜならこのような市場では、多くのオプションが原資産のリスクヘッジを目的として利用されるためです。

     

     

     

     

     

     

     

     

    ボラティリティ・スキューの利用方法

    手元のIVチャートをもとに、それがフォワード・スキューなのかリバース・スキューなのか、またどの程度傾いているのか、簡単に知ることができます。

     

    ボラティリティ・スマイル・パターンの歪度は、どの権利行使価格のオプションを買い、どの権利行使価格のオプションを売るかを決定する判断材料となります。特にブル/ベア・スプレッドなどの取引スプレッドを使用する場合に役立ちます。

     

    強気相場では通常、ブル・コール・スプレッドの取引が行われます。ただし、フォワード・スキューの傾きが比較的小さい場合は、コストが低いブル・プット・スプレッドを検討する場合もあります。

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