無期限契約と同じく、先物契約でも最終取引価格(LTP)とマーク価格(MP)が、Bybitプラットフォームの二重価格メカニズムの形成において重要な役割を果たします。また、これらの値は先物契約の強制決済プロセスに影響を与え、強制決済はマーク価格に基づいてトリガーされます。
しかし、資金調達メカニズムを伴う無期限契約とは異なり、先物契約では無期限契約とは違う方法でマーク価格を計算します。先物契約に固有のマーク価格は、世界の現物インデックス価格とベーシス率を参照し計算されます。この記事では、インバース先物契約とUSDC先物契約、それぞれのマーク価格の計算について説明します。
マーク価格の計算(インバース先物契約)
インバース先物契約のマーク価格は、次の計算式を使って算出されます。
マーク価格 = インデックス価格 × (1 + ベーシス率)
各項目の計算方法は以下のとおりです。
- ベーシス率 = [(インパクト中間価格 - インデックス価格) ÷ インデックス価格]の10分の移動平均
- インパクト中間価格 = (インパクト売値 + インパクト買値) ÷ 2
- インパクト売値 = ビッド側でインパクト証拠金想定元本を実行するための平均約定価格
- インパクト買値 = アスク側でインパクト証拠金想定元本を実行するための平均約定価格
注:
— インパクト中間価格は、1秒ごとに更新されます。
— インバース先物契約のインパクト証拠金想定元本は、BTCが10 BTC、ETHが100 ETHです。
— 先物契約が新たに上場され、上場の時刻から10分未満、たとえば2分の場合、システムは2分の移動平均を使用してベーシス率を計算します。
— ベーシス率は、インデックス価格に対するインパクト中間価格のプレミアムまたはディスカウントを反映しています。
- ベーシス率が拡大した場合 = Bybit先物価格とインデックス価格の間の価格差は拡大。
- ベーシス率が減少した場合 = Bybit先物価格とインデックス価格の間の価格差は減少。
ベーシス率の拡大はBybit先物契約の最終取引価格とインデックス価格の差が広がることを示し、ベーシス率の減少はその差が縮小することを示します。
— Bybit先物契約に固有ですが、決済日の16:30~17:00(日本時間)の間は、マーク価格または推定決済価格のいずれかがポジションの強制決済価格に達した場合、強制決済がトリガーされます。
たとえば、決済日の16:45(日本時間)にポジションを保持しており、マーク価格または推定決済価格がポジションの強制決済価格に達した場合、強制決済がトリガーされ、そのポジションは強制決済エンジンに引き継がれます。
マーク価格の計算(USDC先物契約)
USDC先物契約のマーク価格は、次の計算式を使って算出されます。
マーク価格 = インデックス価格 × (1 + ベーシス率)
ただし、受渡し前の30分間は方法が異なります。
受渡し前の30分間は、推定受渡し価格がマーク価格になります。
各項目の計算方法は以下のとおりです。
- ベーシス率 = [(買値と売値の中間価格 - インデックス価格) ÷ インデックス価格]の2分の移動平均
- 買値と売値の中間価格 = (買値 + 売値) ÷ 2