利食/損切価格保護とは?
利食/損切価格保護は、極端な市況からトレーダーを保護し、市場のボラティリティが高い期間に意図しない価格で利食/損切注文がトリガーされるリスクを軽減する機能です。
利食/損切価格保護は、特に最終取引価格(LTP)を無期限契約および先物契約のトリガー参照価格として使用し、利食/損切を設定するために設計されたものです。価格保護設定は、マーク価格またはインデックス価格をトリガー参照価格として使用する利食/損切注文には適用されません。APIを通じて発注された注文は、価格保護機能の対象外です。
利食/損切保護の主なメリット
- 極端なボラティリティからの保護:価格保護により、ボラティリティの高い期間にお客様の注文が早期に約定されることを防げます。
- 注文の約定をコントロール:注文は、マーケットコンセンサス価格に近い価格で約定され、短期的な急騰や急落に影響されません。
利食/損切価格保護のしくみ
利食/損切価格保護において、スプレッドはマーク価格と最終取引価格(LTP)の価格差を示し、以下の計算式で算出されます。
[スプレッド = abs (最終取引価格 - マーク価格) ÷ マーク価格 × 100% (小数点第3位を四捨五入)]
通貨ペアごとに、対応する価格保護のしきい値があります。利用者は、価格保護機能を、選択した通貨ペアのみに対して有効にするか、すべての通貨ペアに対して有効にするかを選択できます。
価格保護機能を有効にすると、LTPがトリガー価格に達した場合でも、スプレッドが保護のしきい値外であるときは、スプレッドが保護のしきい値に収まるまで利食/損切がトリガーされるのを防ぎます。
例
現在、BTCUSDTが46,500 USDTで取引されているとします。田中さんは、45,500 USDTで指値買い注文を発注し、最終取引価格が43,000 USDTに達した場合に損切り注文がトリガーされるよう設定します。
BTCUSDTのLTPが45,500 USDTに達し、指値買い注文が約定されます。その時点で市場が極端に変動し、マーク価格(45,500 USDT)とLTP(43,000 USDT)の価格差が大幅に開き、スプレッドが約-5.4%となりました。
利食/損切価格保護がない場合、損切り注文が43,000 USDTでトリガーされるため、価格が戻った際に利益を得る機会を失います。しかし、利食/損切価格保護が有効で、BTCUSDTの価格保護のしきい値が±5%であると仮定した場合、スプレッド(-5.4%)が保護のしきい値を超えているため、田中さんの損切り注文は早期にトリガーされません。田中さんの損切り注文は注文板から消去されず、スプレッドが保護のしきい値に戻り、価格のトリガー条件を満たした場合に約定されます。
リスク
価格保護はさまざまな取引シナリオにおいて有益なツールとなりますが、その有効性はトレーダーの目標、戦略、そのときの市況に左右されます。
値動きの激しい市場では、価格保護の適用により注文の約定が妨げられ、価格がトリガー価格まで戻らなかった場合に利益を得る機会を逃したり、リスク管理ができなかったりすることがあります。
このツールは複雑であり、取引プロセスにおける意思決定がもう一段階必要となるため、価格保護を実施する時期が有利か否かを慎重に検討することが必要です。
価格保護は、極端に変則的な市場からトレーダーを守りますが、全体的な取引アプローチに効果的に沿う形となるよう、賢明かつ戦略的に活用することが重要です。
利食/損切価格保護を設定する方法
Bybitアプリの場合
ステップ1:Bybitアプリを開き、設定したい通貨ペアのデリバティブ取引のページに移動します。
ステップ2:右上隅の3点ドットのアイコンをタップし、「取引設定」を選択します。
ステップ3:ご希望に応じて、機能を有効にするか、無効にするかを選択できます。利食/損切価格保護により利食/損切がトリガーされなかった場合は、プッシュ通知が送信されます。
Bybitウェブサイトの場合
ステップ1:ログインして、設定したい通貨ペアのデリバティブ取引のページに移動します。
ステップ2:「取引設定」に移動し、スライダーをドラッグして価格保護を有効にします。
ステップ3:すべてのシンボルに価格保護を適用したい場合、「すべてのシンボルに適用」を選択します。この機能は、USDT無期限契約でのみご利用できることにご留意ください。
ステップ4:価格保護機能が有効になりました。利食/損切価格保護により利食/損切がトリガーされなかった場合、Eメール通知が送信されます。
よくある質問(FAQ)
通貨ペアごとの価格保護のしきい値はどこで確認できますか?
取引パラメータのページで価格保護のしきい値を確認できます。
価格保護により利食/損切がトリガーされなかった場合は、どのように通知されますか?
価格保護機能により利食/損切がトリガーされなかった場合は、Eメール通知やBybitアプリからプッシュ通知が送信されます。
アカウントを統合取引アカウントに更新した場合、利食/損切価格保護の有効設定は統合取引アカウントに引き継がれますか?
はい。価格保護ステータスを含む取引設定は、新しい統合取引アカウントに引き継がれます。
マージンモード間で切り替えた場合、利食/損切価格保護はその間も有効になりますか?
はい。取引設定は、マージンモードを切り替えた場合でも維持されます。
利食/損切価格保護は、すべての利食/損切注文に適用されますか?
いいえ。利食/損切価格保護は、最終取引価格(LTP)を無期限契約および先物契約の通貨ペアのトリガー価格として設定した利食/損切にのみ適用されます。