ローン資産価値(LTV)比率は、Bybit固定金利ローンを管理する上で重要な指標です。この比率は、ローン資産価値と担保価値の関係をパーセンテージで表したものです。LTV比率を理解し、日頃から注意深く監視することで、リスクを適切に管理し、清算のリスクを未然に防ぐことができます。
LTV比率とは?
LTV比率は以下の計算式で算出されます。
LTV = (ローン価値 ÷ 担保価値)× 100%
-
ローン価値 = SUM(未返済ローン元本 + 延滞利息)× 現物最終取引価格
-
担保価値 = SUM(担保資産 × 現物最終取引価格 × 担保価値比率)
例
以下の条件を仮定します。
-
ローン元本:6万USDT
-
担保:25 ETH
-
ETH価格:3,000 USDT
-
担保価値比率(説明用)
通貨 |
価格帯(USDT) |
担保価値比率 |
ETH |
0~5万 |
100% |
5万~10万 |
97.5% |
この場合、LTVは以下のように計算されます。
ローン価値 = 6万USDT
担保資産 =(25 × 3,000)= 7.5万USDT
担保価値 =(5万 × 1)+(2.5万 × 0.975)= 74,375 USDT
LTV = 6万 ÷ 74,375 × 100% = 80.67%
注:LTVはクロスマージンモードで運用されるため、すべてのローン注文が担保資産全体で同じ担保価値を共有できます。これにより、担保の柔軟な管理が可能になります。
LTVの主な基準値
LTVの主な基準値 |
LTV値 |
説明 |
初期LTV |
80% |
借入時における借入額(利息を含む)と担保の合計価値の比率。固定金利ローンの初期LTVは80%で、担保価値の80%まで借り入れることができます。 |
マージンコールLTV |
85% |
マージンコールがトリガーされるLTVの基準値。担保の追加によるリスク管理が推奨されます。 |
強制決済LTV |
92% |
担保の清算が発生し、担保がローンの返済に充てられる基準値。2%の強制返済手数料が発生します。 |
マージンコールと清算の仕組み
1. マージンコール
-
LTVが85%に達すると、メールまたはアプリ内通知でお知らせが届きます。担保を追加するかローンを返済してLTVを下げることができます。
2. 注文のキャンセル
-
LTVが92%を超過すると、まずマッチングしていないローン注文がキャンセルされます。
-
キャンセル後にLTVが92%を下回った場合、清算は停止します。そうでない場合は清算が継続されます。
3. 清算
-
Bybitは、ローンの強制返済のために担保の清算を開始します。担保は借入額の返済に充てられます。
-
2%の強制返済手数料が適用され、担保から差し引かれます。
-
清算後の残りの担保は資金調達アカウントに返却されます。
清算リスクの軽減方法
清算リスクを完全に回避することはできませんが、以下の方法でリスクを最小限に抑えることができます。
-
定期的なLTV比率の確認: LTV比率を安全な範囲内に維持するために、常に十分な担保を維持してください。詳しい手順については、Bybit固定金利ローンガイドをご覧ください。
-
自動返済の有効化: 延滞利息の発生を防ぐため、自動返済を有効にしてください。延滞利息はLTVに悪影響を及ぼし、3倍のペナルティ料金が発生する可能性があります。自動返済を有効にしている場合は、資金調達アカウントに十分なローン資産があることを確認してください。資金が不足している場合、24時間後に延滞ステータスとなり、強制返済が実行されます。
対象通貨、最小/最大借入額、各通貨の担保としての変換レートについては、こちらのページをご確認ください。