Bybit固定金利ローンは、ユーザー同士で直接借入や貸出ができるピアツーピア(P2P)のローンサービスです。このサービスでは、固定された金利と期間で取引を行うことができます。すべてのローン注文は過剰担保で行われ、借り手は貸し手から借り入れる資産の価値を上回る担保を提供する必要があります。
借り手としてサービスを利用する場合、対象のトークンの中から担保として使用する資産を選択し、ニーズに合わせてローン注文をカスタマイズできます。
暗号資産を借りるのではなく貸し出す場合は、貸し手として固定金利を得ることができます。
固定金利ローンのメリット
-
予測可能な借入コスト:金利はあらかじめ定められた期間で固定されるため、予期せぬ変動や隠れた手数料は発生しません。
-
魅力的な固定貸出APR:カスタマイズ可能な固定APRで資産を貸し出すことで、安定した収益を得られます。
-
複数の資産から選べる担保オプション:様々な資産を担保として選択でき、清算リスクを最小限に抑えられます。
-
効率的な自動化プロセス:自動返済や自動更新(近日実装予定)などの機能により、スムーズで手間のかからない借入・貸出を実現します。
-
信頼できる資産管理:Bybitが担保と貸出資産の両方を直接管理することで、セキュリティを確保します。貸し手の資産は、プロセス全体を通じてトークンの数量ベースで元本が保護されます。
固定金利ローンの仕組み
注文方法
借りる場合
借り手として利用する場合、借入市場にある既存の注文を選択するか、希望する金利、期間、借入額を指定してカスタム注文を作成できます。カスタム借入注文を行うと、自動的に利用可能な貸出注文とマッチングします。
例
田中さんが6%の金利で10万USDTの借入注文を出したとします。5%の金利で5万USDTの注文A、4%の金利で5万USDTの注文Bという2つの貸出注文があった場合、田中さんの借入注文は両方とマッチングします。貸し手が指定した金利が低くても、田中さんは自身が選択した6%の金利を支払うことになり、貸し手は当初の想定よりも高い利息を得ることができます。
自動返済
借入注文を行う際、「自動返済」を有効にすることができます。これを有効にすると、借入注文の期限が切れた時に資金調達アカウントの資産が自動的にローンの返済に使用され、延滞によるペナルティを回避できます。自動返済を行うには、資金調達アカウントに十分な資産を保有している必要があります。資産が不足している場合、自動返済は失敗します。もし自動返済時に資金が不足していた場合でも、返済が完了するか猶予期間が終了するまで、システムは1分ごとに返済を再試行します。「自動返済」はいつでも無効にできますが、変更は期間終了時にのみ反映されます。
貸す場合
貸出のプロセスも、借りる場合と同様です。貸し手として利用する場合、貸出市場にある既存の注文を選択するか、希望する金利、期間、貸出額を設定してカスタム注文を作成できます。カスタム貸出注文を行うと、自動的に利用可能な借入注文とマッチングします。
例
鈴木さんが5%の金利で10万USDTの貸出注文を出したとします。6%の金利で5万USDTの注文A、7%の金利で5万USDTの注文Bという2つの借入注文があった場合、鈴木さんの貸出注文は両方とマッチングします。この場合、借り手はそれぞれ6%と7%の金利を支払います。一方で鈴木さんは5%を上回る金利で収益を得て、借り手が支払った利息からプラットフォーム管理手数料を差し引いた金額を受け取ります。
注:
・Bybitは、借り手が支払う通常の利息の10%と、延滞利息の30%を管理手数料として徴収し、残りの金額を貸し手の収益として分配します。
・自動更新は現在ご利用いただけませんが、近日中に実装される予定です。
注文のマッチング
システムは1分ごとに、類似の金利と期間の借入注文と貸出注文をマッチングします。例えば、午前11時5分30秒に発注した場合、マッチング可能な注文があれば午前11時6分に注文がマッチングされます。
利息の発生
固定金利ローンの金利は、借り手がローンを確定した時点で固定されます。ローン資産が移される時点で、利息は前払いで差し引かれます。借入注文がマッチングすると、推定利息を差し引いた借入資産が借り手の資金調達アカウントに入金されます。貸し手は、ローン期間の終了時または延滞期間の終了時に、元本と利息の両方を受け取ります。
利息の計算式は以下のとおりです。
借入利息(前払い)= 借入額 × 年利 × 期間 ÷ 365
貸出利息(受け取り)= 貸出額 × 年利 × 期間 ÷ 365(プラットフォーム管理手数料を差し引く)
注:
・ローンが返済期限を過ぎて延滞した場合、期限日の翌日から始まる猶予期間中は、時間単位で利息の3倍に相当する延滞ペナルティが自動的に発生します。この期間内に返済を完了しなかった場合、お客様の担保は自動的に清算され、ローンと延滞利息の返済に充てられます。また、借入額の2%が清算手数料として差し引かれます。
・借り手が繰り上げ返済した場合、前払いの利息は返金されません。この場合、貸し手の資金は決済日に返却されます。
担保
借り手は、資金調達アカウントにある対象資産から担保として使用する資産を選択できます。担保価値は、段階的な担保価値比率に基づいてUSD建てで算出されます。詳細についてはこちらをご確認ください。
例
佐藤さんが600万MYROを担保として使用したとします。MYROの価格が0.06ドルの場合、担保価値は以下のように計算されます。
USD価値 = 600万 × 0.06ドル = 36万ドル
担保価値 = 10万ドル × 100% + (20万ドル - 10万ドル)× 75% + (30万ドル - 20万ドル)× 50% + (36万ドル - 30万ドル)× 0% = 22.5万ドル
注:上記の数値はあくまで参考例です。サポートされている担保資産の詳細については、こちらをご確認ください。
清算
清算LTVとは、ローン返済のために担保が自動的に清算される基準値のことです。これにより、リスクを最小限に抑えることができます。
注文が清算LTV(現在92%に設定)に達すると、直ちに清算プロセスがトリガーされます。その際、保留中のすべてのローン注文が最初にキャンセルされます。キャンセル後にLTVが92%以下に低下した場合、清算処理は停止します。それ以外の場合は強制返済が開始され、借入額を返済するために担保資産が売却されます。
強制返済が発生した場合、借入額の2%が手数料として担保から差し引かれます。清算後の残りの担保は資金調達アカウントに返却されます。
注:LTVは、担保資産がすべてのローン注文で使用されるクロスマージンモードに基づいて計算されます。
Bybit固定金利ローンの詳細については、以下の記事をご覧ください。