インデックス価格は、取引高で上位6つの主要現物取引所の現物通貨ペアの価格を合計し、それぞれの現物通貨ペアの重みを掛けたものです(シンボル「XXXUSDT」のXXXは、BTC、ETH、XRP、EOSなど、それぞれの通貨の略称で表されます)。インデックス価格は、インバース契約とUSDT無期限契約の基礎データページからそれぞれ取得できます。
インデックス価格は、現物価格、USDT建て換算額、リアルタイムの重みの3つの変数によって決まります。
現物価格
この数値は、各現物取引所から直接引用された、原資産の現在のライブ価格を表しています。
USDT建て換算額
このデータは、現物価格に基づいて、現物通貨ペアの価格をUSDT建ての通貨ペアに換算した価格を表しています。
例
ETHUSDTインデックスが取引所Aの通貨ペアETH/BTCを構成要素として含んでおり、その提示価格が0.1である場合を考えてみましょう。BybitでのBTC/USDTの現在価格が2万ドルの場合、USDT建て換算額は以下の計算に基づいて2,000ドルとなります。
現物価格 × BTC/USDT = 0.1 × 2万
リアルタイムの重み
インデックス価格は、世界の主要現物取引所の現物通貨ペアの加重価格を合計して算出されます。この重み(Trade_WtO)は、上位6つの現物通貨ペアの4時間の取引高に基づいています。この重みが現物価格に適用され、インデックス価格全体への影響を決定します。以下の例では、プラットフォームをA、B、C、D、E、Fと表記します。
インデックス価格の計算方法
計算式は以下の通りです。
インデックス価格 =(現物価格_シンボルA × Trade_WtO_シンボルA)+(現物価格_シンボルB × Trade_WtO_シンボルB)+(現物価格_シンボルC × Trade_WtO_シンボルC)+(現物価格_シンボルD × Trade_WtO_シンボルD)+(現物価格_シンボルE × Trade_WtO_シンボルE)+(現物価格_シンボルF × Trade_WtO_シンボルF)
-
Trade_WtO_シンボルA = 4時間の取引高シンボル(A)÷[4時間の取引高シンボル(A)+ 4時間の取引高シンボル(B)+ 4時間の取引高シンボル(C)+ 4時間の取引高シンボル(D)+ 4時間の取引高シンボル(E)+ 4時間の取引高シンボル(F)]
市場の変動時にインデックス価格を安定させるため、以下の価格保護メカニズムを導入しています。
1.いずれかの構成通貨ペアの現物価格が、全ての現物価格ソースの中央値から5%以上乖離した場合、システムはその取引所のインデックス価格計算の有効な提示価格として、中央値×(1 ± 5%)を使用します。これは、その価格が全ての現物価格の中央値の3%以内に5分間連続して収まるまで続きます。ただし、このルールは特定の指定された通貨ペアには適用されません。
2.2つ以上の構成通貨ペアの現物価格が中央値から5%以上乖離した場合、インデックス価格は全ての価格ソースの取引高加重平均のままとなります。
3.流動性問題を抱えている、またはサービス中断が発生している通貨ペアを削除するために、取引所で15分以上取引が行われていない現物通貨ペアは、インデックス価格の計算から一時的に除外されます。取引活動が再開されると、再び計算に組み込まれます。
4.現物価格がリアルタイムの取引と比べて5秒以上遅延した場合、その特定の通貨ペアは一時的にインデックス価格の計算から除外されます。タイミングの不一致が解消されると、その通貨ペアはインデックス価格の計算に再び組み込まれます。
5.極端な市場状況または通貨ペアの異常な価格変動が発生した場合、Bybitは事前の通知なしに価格ソースまたは重みを調整する権利を有します。
例
6つの通貨ペアのBTC現物価格と取引高の重みが以下のようであると仮定します。
現物取引所 |
通貨ペア |
現物価格 |
重み |
A |
BTC/USDT |
2万46ドル |
20% |
B |
BTC/USDC |
2万48ドル |
15% |
C |
BTC/USDT |
2万56ドル |
20% |
D |
BTC/USDT |
2万58ドル |
15% |
E |
BTC/USDT |
2万60ドル |
15% |
F |
BTC/USDT |
2万51ドル |
15% |
BTCUSDTインデックス価格は、以下の計算に基づいて2万52.95ドルとなります。
インデックス価格 =(2万46ドル × 20%)+(2万48ドル × 15%)+(2万56ドル × 20%)+(2万58ドル × 15%)+(2万60ドル × 15%)+(2万51ドル × 15%)
極端な市場状況におけるインデックス価格の計算方法
特定の極端な市場状況下では、Bybitは自社のプラットフォームを含む任意の取引所から合理的な現物価格を取得できない場合があります。このような状況下でもインデックス価格の合理性を確保するため、インデックス価格は無期限契約の最終取引価格から算出されます。
計算式
インデックス価格は、過去10秒間に1秒ごとに取得されたターゲット価格を使用して決定されます。
時間Tnにおけるインデックス価格の計算式は以下の通りです。
時間Tnのインデックス価格 = α × 時間Tnのターゲット価格 +(1−α)× 時間Tn−1のインデックス価格
現在、αはデフォルトで0.1818ですが、市場状況に応じて調整されます。
ターゲット価格の計算方法
ターゲット価格は1秒ごとに計算され、以下の2つのシナリオにおける無期限契約のターゲット価格を想定します。
-
買いまたは売りのアクティブ注文がない場合
-
ターゲット価格 = 最終取引価格
-
-
買いと売りのアクティブ注文が存在する場合
-
ターゲット価格 = 調整済みの厚み加重平均価格
-
調整済みの厚み加重平均価格の計算方法
調整済みの厚み加重平均価格の計算方法には、以下の4つのステップがあります。
ステップ1:プレミアムインデックスのボトムボリュームを計算する
-
USDT無期限、USDC無期限、USDC先物契約の場合
プレミアムインデックスボトムボリューム = ROUNDUP[想定インパクトマージン ÷ 最終取引価格 × 最小注文数量, 0]× 最小注文数量
-
インバース無期限契約の場合
プレミアムインデックスボトムボリューム = 想定インパクトマージン
各無期限契約のリアルタイムの想定インパクトマージンについては、資金調達率ページをご参照ください。
ステップ2:厚み加重買値と売値を計算する
-
USDT無期限、USDC無期限、USDC先物契約の場合
例
ランク |
価格(USDT) |
数量(XYZ) |
売り4 |
103 |
20 |
売り3 |
102 |
15 |
売り2 |
101 |
10 |
売り1 |
100 |
5 |
a)プレミアムインデックスのボトムボリュームが30 XYZだと仮定すると、厚み加重売値は以下のように算出されます。
-
厚み加重売値 =(100 × 5 + 101 × 10 + 102 × 15)÷ 30 = 101.33 XYZ/USDT
b)プレミアムインデックスのボトムボリュームが40 XYZの場合
-
厚み加重売値 =(100 × 5 + 101 × 10 + 102 × 15 + 103 × 10)÷ 40 = 101.75 XYZ/USDT
-
インバース無期限契約の場合
例
ランク |
価格(USDT) |
数量(USD) |
資産価値(XYZ) |
売り4 |
103 |
20 |
= 20 ÷ 103 |
売り3 |
102 |
15 |
= 10 ÷ 102 |
売り2 |
101 |
10 |
= 10 ÷ 101 |
売り1 |
100 |
5 |
= 5 ÷ 100 |
合計 |
- |
50 |
0.490243482 |
-
プレミアムインデックスのボトムボリュームが50 USDだと仮定すると、厚み加重売値は以下のように算出されます。
50 ÷ 0.490243482 = 101.99 XYZ/USD
ステップ3:厚み加重平均価格の合理性を確保する
厚み加重平均価格が買値や売値から過度に乖離しないように、以下の調整を行います。
-
調整済みの厚み加重売値 = Max(最初の売値 × 0.98, 厚み加重売値)
-
調整済みの厚み加重買値 = Min(最初の買値 × 1.02, 厚み加重買値)
ステップ4:想定インパクトマージンを実行するための調整済みの厚み加重平均価格を計算する
調整済みの厚み加重平均価格 =(調整済みの厚み加重売値 + 調整済みの厚み加重買値)÷ 2
プレマーケット無期限契約のインデックス価格の計算方法
プレマーケット無期限契約のインデックス価格計算方法は、取引フェーズによって異なります。
-
コールオークションフェーズ中:
インデックス価格 = 推定開始価格
-
連続オークションフェーズ中:
インデックス価格は、上記で説明した極端な状況下における通常の無期限契約と同じ方法で算出されます。