レバレッジと証拠金の関係性とは?
あらゆる種類の取引と投資には、損益およびリスク管理の2つの要素があります。レバレッジは、これら2つの要素を比較検討するための主要なツールです。Bybitでは、レバレッジの主な機能はポジションに使用される必要証拠金率を調整することです。証拠金は担保とみなして良いでしょう。トレーダーがこの特定の投資に対して負っても構わないと思っているリスクの度合いを意味します。
レバレッジが高いほど、使用される証拠金は少なくなります。同額の証拠金で、トレーダーはより大きなサイズのポジションを建てることができ、ポジションサイズの増加から利益を増やすことができます。しかし、同時にポジションの強制決済価格が参入価格に近づきます。したがって、損失の余地があまりないため、ポジションは強制決済されやすくなります。
レバレッジが低いほど、使用される証拠金は多くなります。同額の証拠金で、トレーダーが建てることのできるポジションの大きさは比較的限られてしまうかもしれません。大きなポジションから利益を増幅することはできないかもしれません。しかし、ポジションの強制決済価格は参入価格からさらに離れます。したがって、損失の余地が大きいため、ポジションは簡単には強制決済されません。
Bybitでは2つの証拠金システムを採用
Bybitには2種類の証拠金(マージン)モードがあります。分離マージンモードとクロスマージンモードです。
分離マージンモードとは?
分離マージンモードでは、ポジションに利用される証拠金は、トレーダーの口座残高から分離されます。このモードでは、トレーダーが強制決済によって失う最大額がそのオープンポジションに設定されたポジション証拠金に制限されるため、トレーダーはそれに応じてリスクを管理できます。
例えば、トレーダーが1倍のレバレッジを使用して1500BTCUSDのポジションを$10,000で建てます。ポジションを建てるために使用される必要証拠金は0.15BTCです。それから彼はレバレッジを3倍に変更しました。すると、必要証拠金 (担保)は0.15BTCから、わずか0.05BTCに変わります。強制決済が起こった場合、彼は0.05BTCの必要証拠金(手数料を除く)のみを失うことになります。これにより、トレーダーはリスクを制限できます。
クロスマージンモードとは?
これはBybitのデフォルトのマージンモードです。クロスマージンモードは、強制決済を防ぐために、対応する取引ペアのコインタイプ内のトレーダーの利用可能残高をすべて使用します。取引ペアの資産が維持証拠金よりも低くなると、ポジションは強制決済されます。強制決済された場合、トレーダーはその特定の取引ペアのすべての資産を失います。
例えば、トレーダーがBTCUSDTポジションを建てます。BTCUSDTポジションが強制決済されると、彼はUSDT残高をすべて失います。BTCの残高は影響を受けません。
ポジションを保有している時にクロスマージンモード/分離マージンモードへの切替は可能ですか?
トレーダーはいつでも注文ゾーンからマージンモードを変更できます。マージンモードが変更されると、オープンポジションと全てのアクティブで条件付きの注文に適用されます。証拠金の変更は、ポジションの強制決済価格に影響します。したがって、口座に十分な証拠金があり、変更自体が即時に強制決済を引き起こさない場合はいつでも、クロスマージンと分離マージンを切り替えることができます。
クロスマージンモードでは、トレーダーはレバレッジを変更できますか?クロスマージンモードで必要証拠金と維持証拠金を計算する方法は?
クロスマージンモードであっても、トレーダー自身でレバレッジを設定できます。
8月9日以降に新規登録された方は、初期証拠金の計算に10倍のレバレッジがデフォルトで使用されます。BTCUSDT無期限契約を例にとると、この契約の取引に使用される初期証拠金は、その契約額/10であり、つまり、お客様の口座で開くことのできる最大契約数は、デフォルトで10倍のレバレッジを使用して計算されます。
トレーダーが他のレバレッジ倍数を使用したい場合、注文ゾーンの「クロスマージン」をクリックし、レバレッジインジケーターバーをスライドするか、手動でレバレッジ倍数を入力することでレバレッジを調整できます。
8月9日以前に登録されたユーザーの方は、初期証拠金の計算に、現行のリスク制限のもとで許容される最大レバレッジがデフォルトで使用されます。たとえば、BTCUSDT無期限契約での最小リスク制限では最大100倍のレバレッジを使用できます。この契約での取引に使用される必要証拠金は、契約価額/ 100です。つまり、このアカウントで建てられる注文最大数は、デフォルトでは100倍のレバレッジを使用して計算されます。
異なるレバレッジ倍数で建てることができるポジションサイズを見てみましょう。例としてBTCUSDTを取り上げます。
トレーダーはクロスマージンモードを選択し、使用する必要証拠金は1,000USDTとします。30,000USDTの価格で100倍、50倍、10倍のレバレッジを選択して提出できる注文数は次のとおりです。
100倍レバレッジの場合:注文サイズ= 1000x100 / 30000 = 3.333 BTC
50倍レバレッジの場合:注文サイズ= 1000x50 / 30000 = 1.666 BTC
10倍レバレッジの場合:注文サイズ= 1000x10 / 30000 = 0.333 BTC
上記の例から、クロスマージンモードで使用されるレバレッジ倍数が低いほど、建てることができるポジションサイズが小さくなることがわかります。
*注文サイズ=必要証拠金 x レバレッジ / 参入価格
維持証拠金の計算は、クロスマージンモードと分離マージンモードで同じです。
維持証拠金 = ポジション価額 * 維持証拠金率
クロスマージンモードでポジションのレバレッジを変更すると、強制決済価格に影響しますか?
クロスマージンモードでは、ポジションの強制決済価格は、アカウントの利用可能残高、ポジションサイズ、ポジションの参入価格、またはアカウントのリスク制限のいずれに変更があった場合にのみ変化します。それ以外の場合、強制決済価格に変更はありません。
クロスマージンモードで強制決済価格が変動する状況は、主に以下の3つに分類できます。
1.単一のポジションのみを保持し、アクティブ注文がない場合
この場合には、強制決済価格は影響を受けません。クロスマージンモードでは、トレーダーがレバレッジを変更しても、ポジションサイズ、参入価格、およびポジションを保有するために使用される資産合計額は変わらないからです。
2.単一のポジションのみを保持し、同時にアクティブ注文を保持している場合
この場合、ポジションの強制決済価格は影響を受けます。レバレッジ倍率を上げると、アクティブ注文に対して差し出された必要証拠金が減少するため、より多くの証拠金が利用可能残高に戻り、その増加した利用可能残高を使用して保有ポジションをサポートできます。レバレッジを下げると、アクティブ注文に対しより多くの必要証拠金が必要になるため、逆のことが起こります。
3.USDTを証拠金とするUSDT取引ペアなど、同じ資産を共有する複数のポジションを保持している場合
この場合、レバレッジを変更すると強制決済価格に影響します。レバレッジの調整に伴い、ポジションの必要証拠金が増減するためです。複数ポジションの内のいずれか1つのポジションのレバレッジを上げると、そのポジションに必要な証拠金が減少し、戻されたその証拠金は他のポジションをサポートするために使用されます。反対に、一つのポジションのレバレッジを下げると、そのポジションにはより多くの証拠金が必要になります。これにより、アカウントの利用可能残高が減少するため、他のポジションの強制決済価格がマーク価格に近づき、結果として、そのポジションの強制決済のリスクが高まります。
クロスマージンモードで実効レバレッジはどのように計算されますか?
実効レバレッジは、ポジションの最大可能損失と比較したトレーダーのポジション価額に基づいて計算されます。
クロスマージンモードで、未実現利益が発生している場合:
実効レバレッジ = ポジション価額 / ポジション証拠金 + 利用可能残高 + 未実現利益)
クロスマージンモードで、未実現利損失が発生している場合:
実効レバレッジ = ポジション価額 /(ポジション証拠金 + 利用可能残高)
*利用可能残高 = ウォレット残高 - ポジション証拠金 - 合計注文証拠金
実効レバレッジが高いほど、強制決済価格がマーク価格に近いため、強制決済のリスクが高くなります。
2.クロスマージンモードでレバレッジはどのように計算されますか?
クロスマージンの場合、使用されるレバレッジは実効レバレッジによります。トレーダーがレバレッジを調整できる分離マージンモードとは異なり、クロスマージンモードでは、実効レバレッジは、ポジションの可能な最大損失と比較したトレーダーのポジション価額に基づいて計算されます。
レバレッジはROI%にどのように影響しますか?
レバレッジが変更されても未実現損益は影響を受けませんが、未実現損益率(ROI%)は変わります。
分離マージンモードの場合:
未実現損益率 = 未実現損益 /(必要証拠金 + 決済取引手数料 + ポジションに追加された証拠金) x 100%
クロスマージンモードの場合:
未実現損益率 = 未実現損益 / (必要証拠金 + 決済取引手数料) X 100%
レバレッジが増加すると、必要証拠金が減少します。逆もまた同様です。したがって、同じ未実現損益であっても、ポジション証拠金の減少により未実現損益率は増加します。実際の利益が増加するわけではありません。
詳細につきましては、こちらをご参照ください。